■事故・違反の反省と分析を徹底しよう
3月はいよいよ年度末です。
平成24年度の安全運転管理目標の達成内容や違反・事故の実態を踏まえて、平成25年度の安全運転運転管理、ドライバー指導計画を立てていきましょう。
■違反や事故の傾向分析が重要です
交通事故と違反の実態のほか、車両経費や稼働率などもチェックしておく必要があります。
事故に関しては、損害額が大きい事故や人身事故などに目がいき、軽微な事故や物損事故などが軽視されがちですが、物損事故でも同じようなパターンの事故が起こっていれば、いずれ人身事故に結びつくので、物損事故についてもきちんと分析をしておくことが重要です。
事故を分析する項目としては
・事故原因別 ・事故形態別 ・交通違反別 ・発生場所別
・年齢層別 ・運転経験別
などのパターンで分類し、特徴的な傾向がないかをチェックしましょう。
とくに、追突事故などでは、携帯電話の運転中使用によるわき見運転などが関連している場合があります。
■違反の実態を踏まえて事故の危険を予測する
違反の実態がわかることで人身事故につながる危険が明らかになります。
たとえば、携帯電話の違反が増加している事業所では、確実に追突事故の増加が予測されます。そこで、運転経歴証明書などを自動車安全運転センターに申請しておくことも重要です。
なお、すべての事故を詳細に分析するのは時間と労力が大変ですので、自社にとってとくに回避すべき事故の傾向を判断し、細かい分析をする事故の優先順位をつけていくべきでしょう。
■新年度の交通安全計画の策定
平成24年度の交通事故や違反の実態を踏まえて、安全運転目標・交通事故削減目標を立てましょう。
月別目標については、下記のような年間の各種安全運動などとも呼応した安全活動の計画を立てます。
「春/秋の全国交通安全運動(4月・9月)」
「全国安全週間(7 月)」
「夏の事故防止運動(7月)」
「全国労働衛生週間(10月)」
「年末年始事故防止運動 (12~1月)」など
事故防止活動を強化する期間には、職場にポスターを掲示したり、街頭指導などをする計画も立てておきましょう。
※こちらから → 1年間の安全運転管理計画のサンプルをダウンロードできます。
春の全国交通安全運動の準備
4月には、春の全国交通安全運動が実施されます。実施要項が発表されていますので、重点項目を踏まえて自社なりの交通安全運動への参加指針を策定し、運動の資料も配布しておきましょう。
■子どもと高齢者の事故防止
特に、運動の基本テーマである「子どもと高齢者の交通事故防止」を踏まえて、生活道路などにおける交通弱者の安全確保を徹底する指導を添加しましょう。
なお、運動の全国重点は以下の3点です。
(1)自転車の安全利用の推進
(特に、自転車安全利用五則の周知徹底)
(2)全ての座席のシートベルトと
チャイルドシートの正しい着用の徹底
(3)飲酒運転の根絶
■自転車通勤の安全対策
交通安全運動では「自転車の安全利用の推進」も重点項目として強調されています。最近、自転車通勤をする従業員も増えていますが、自転車は車両の一部であり交通ルールを守って走行することが重要であることをアピールしておく必要があります。
自転車関連の人身事故が多発していることを受け、警察庁は自転車違反者に対する講習など道路交通法の改正案を提出しています。また、自転車の取締り強化の方針も打ち出しています。
自転車による歩行者死傷事故では、無灯火で携帯電話をしていた自転車の女の子が歩行中の看護士に重傷を負わせた事故で、約5000万円の損害賠償を命じた判決例もあります(横浜地裁 平成17年11月25日判決)。
自賠責保険など責任保険がないので車以上のリスクもあると考えて、自転車通勤を無原則には認めないなど、管理・指導の方策を考えましょう。
※交通安全運動の詳細に関しては → 内閣府のWEBサイトも参照
3月の安全運転管理ごよみ ──2013年──
日付 | 行事・イベントなど |
1日(金)~ 7日(木) |
・車両火災予防運動(春季全国火災予防運動) ──車両火災防止のため、全国火災予防運動とあわせて同期間に実施(車両火災原因をみると、放火と放火の疑いによる火災が約14%を占めているので、駐車場の管理も重要)。 ※なお、気象条件等の関係から一部道県においては時期をずらして実施──例:北海道 4月20日 から30日 |
3日(日) |
・雛祭り(桃の節句)/耳の日 |
5日(火) |
・啓蟄 |
7日(木) |
・消防記念日──昭和23年の「消防組織法」が施行されたことを記念して設定。全国の消防本部等で消防訓練、記念式典など様々な行事が行われる。 |
11日(月) | ・東日本大震災の日──政府主催の追悼式典のほか、合同追悼式などが被災地などで行われる。震災で亡くなられた方々の慰霊を行い、防災対策を再確認する。 |
12日(火) | ・3月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っている。 |
14日(木) | ・ホワイトデー |
20日(水) | ・春分の日 |
23日(土) | ・世界気象デー──1950年のこの日に世界気象機関条約が発効したことを記念して制定されました。 |
25日(月) |
・電気記念日──日本電気協会が1927(昭和2)年9月に制定。1878(明治11)年のこの日、東京虎の門の工部大学校で日本で初めての電灯が灯りました。
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3月上旬 |
・「安全衛生標語」の募集──標語の種類は、平成25年度年末年始無災害運動標語、平成26年年間標語──例年、締切りは4月30日(中央労働災害防止協会) |
3月中旬 |
・平成24年中30日以内交通事故死者統計の発表(警察庁) ・平成25年使用の交通安全スローガンポスターデザイン入選作の発表(全日本交通安全協会) |